論文出版

2021年9月博士卒業後藤良介先生の論文がEnergiesで出版されました。

日本語訳:不確実性下における企業の再生可能エネルギー投資意思決定行動に関する研究

Study on Behavioral Decision Making by Power Generation Companies Regarding Energy Transitions under Uncertainty

企業のREへの投資意思決定について、電力市場における不確実性の下での企業のRE投資意思決定行動に関する新しい知見を得ることを目的とし、規範的・非規範的な両面を表すRE投資企業の意思決定プロセスに関する新しいフレームワークを設計した。このフレームワークは、Top Management (投資意思決定者)とMiddle Management (投資戦略の分析・提案者)の2階層からなり、Middle Managementの分析結果と提案を基に、Top Managementが規範的・非規範的な両面から投資行動するという意思決定プロセスを表現した。このフレームワークを用いて、不確実性下の電力市場におけるRE投資企業の行動意思決定モデルを開発した。開発したモデルにおいて、Top Managementの規範的側面には従来の正味現在価値(NPV)法を、非規範的な側面には行動経済学の手法を適用した。開発したモデルを用いたシミュレーションの結果、従来の規範的なNPV手法と比較して、RE投資会社の行動的意思決定について次の知見を得た。(a) REへの補助が高い場合、PVまたは風力発電のどちらかに偏った投資は、RE投資を妨げる可能性がある。(b) REへの補助が高い場合、PVと風力の両方へのバランスのとれた投資は、RE投資を促す。(c) REへの補助が低くても,意思決定者の参照点を低くするフレーミングを行うことで、RE投資を促し得る。

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